2022/06/21
POP(ポップ)で変わる!「買いたい!」と思わせる売り場づくり
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小売店や飲食店が売り上げを伸ばしたいと思ったら、POP(ポップ)の作成はとても有効です。
商品の前に注目されるPOPを置けば、お客さんはそれをみた瞬間に「おすすめ商品だ」ということがわかり、商品への関心度が高くなります。興味を持ってもらえば、購入の確率もぐっと上がるのではないでしょうか。
この記事では、POPがどういうものなのかを紹介したうえで、売上アップにつながるPOPの作り方やPOPの書き方を解説します。
POPとは
現在は『POP』という言葉自体が名詞としても通用しますが、正式名称は『Point of purchase advertising(ポイント・オブ・パーチェスアドバタイジング)』で、「購買時点の広告」という意味になります。お客さんが商品に向かって手を伸ばしたときに、その近くにある広告のこと、つまり小売店の店頭プロモーションとして展開される広告のことです。
しっかりデザインされていなくても、手の平サイズの紙に「今が旬です」と書いて総菜売り場に置けば、それはもうPOPとして成立します。でも、せっかくお店に置くならきちんと戦略を練って、目立つPOPを作成したいですよね。
ここからは
- 店頭POP
- 小売店向け店内POP
- 飲食店向け店内POP
の3つにわけて、特徴を解説していきます。
店頭POPの例と特徴
店頭POPは主にお店の外に向けて置くPOPのことです。のぼり、横断幕、ブラックボード、デジタルサイネージなどの種類があります。
店頭POPを置く目的は、ここにお店があることをアピールし、通りがかった人たちにお店の中へ入ってもらうことです。ですので、まずは『お店の前を偶然通りがかった人』をイメージしながら作るとよいでしょう。
ほとんどの消費者は、初めてのお店に対して「何のお店だろう」「どういう雰囲気だろう」と感じるはずで、これは小さなハードルといえます。店頭POPは、そういったちょっとした警戒心や小さなハードルを少しでも解消するためのツールとも言えます。
店頭POPを設置することで、何を売っているお店なのか、どのようなサービスを提供しているのかなどを分かりやすくします。
他にも、ブラックボードに飲食メニューを掲載しておけば、オシャレなカフェなのか、気軽に入れそうな食堂なのか、敷居の高い高級店なのか、といったようなお店の雰囲気を伝えることもできます。
見る人に何を伝えたいかを考えて、POPの種類やデザイン、文言(文章)を決めていきましょう。
【小売店向け】店内POPの種類と特徴
店内POPは店の中に置くPOPですが、小売店と飲食店では目的や狙いが少し異なります。まずは小売店向け店内POPを紹介しましょう。
小売店では商品ごと、季節商材の売り場、見本ディスプレイ、レジ、壁などPOPを設置できる箇所がたくさんあります。その場所に応じたPOPを作成することで、POPの効果を高めていきましょう。
商品POP
基本的に、商品に付けるPOPは一点集中を心がけます。「この商品はコレが売り」という内容を簡潔にPOPに書き込むことで、お客様の興味を引き付けます。
季節商材の売り場
同じカテゴリーの商品が集まっているはずなので、例えばキャンプ用品であれば『夏休みは家族で楽しもう』のように全体の使用イメージを伝えると良いでしょう。
商品解説POP
アイデアグッズなどのパッと見ただけでは使い方の分からない商品には、通常のPOPよりも多くの情報を掲載した商品解説POPを付けると効果的です。実際の使用の流れなどを写真付きで掲載すれば、使用イメージがわかりやすくなり手に取ってもらえる確率も上がるでしょう。
レジのPOP
レジ横に置く商品にPOPを付けておくことで会計の間に目に留まり、ついで買いを誘うことができます。内容は、顔を合わせる店主やお店のスタッフからのメッセージがよいかもしれません。
壁に設置するPOP
店全体のイベント告知などに活用できます。壁を使うとお店の雰囲気に影響してくるので、デザインは凝りたいものです。それとは逆に、雰囲気を変えたいときにも上手く使うことで広くキャンペーンのイメージを持たせたり、特にセール告知などに効果を発揮します。
「SALE」「50%OFF」といったPOPをたくさん壁に貼れば、イベントにかけるお店の熱意も表現することができますね。ただし、過剰に貼ると「安売り」感が出過ぎてしまう場合もありますので、バランスには注意してください。
【飲食店向け】店内POPの種類と特徴
飲食店の場合、お客様は一度席についたら帰るときまでその場所を動かないので、1人のお客様が目にするPOPの数は限られます。料理が運ばれてくると食べることに集中してしまうので、POPを読むタイミングも少なくなります。またテーブルにあれこれ置くことも、食事の邪魔になってしまうので効果的ではないでしょう。
そのため、飲食店の店内POPづくりは工夫が必要になります。
プラスワンメニューPOP
飲食店では、プラスワンメニューをPOPにすると効果的です。例えば食事後のデザート、お土産のテイクアウトなどはテーブルに置いても気になりませんし、メニューを見終わったあと自然な流れで目にするので、追加の注文をいただけるチャンスにもなります。
壁に設置するPOP
お店に入ってすぐの壁面を上手く使うと、来店したお客様へ一番伝えたいことをアピールすることができます。
例えばラーメン店なら、店主が麺とスープに注いだ情熱を、熱い言葉で大きな文字で書くと、来店者にその想いが伝わります。レストランやカフェの場合、日替わりメニューを設置すれば、常連のお客様にも常に新鮮な気持ちになってもらえるでしょう。
また、ぜひ試していただきたいのは、メニューをPOPのようにすることです。料理名・料金だけでなく、作り手のこだわりも書いてみてください。お客さんが読んで楽しくなり、料理を注文したくなるような内容であればきっと「このお店に来て良かった!」と思ってもらえるはずです。
効果的なPOPの作り方
POPはあまりお金をかけないで作ることもできるので、いろいろなことを試しながら正解を探すことができます。他のお店に入って「いいな」と感じたPOPがあったら、真似をしてみたり、自分なりにアレンジをして作ってみてもよいでしょう。
ただあてずっぽうにPOPを作り続けていてもなかなか正解にたどり着けないので、初めてPOPを作る人や、なかなか「これだ」と思えるPOPが見つからない人は、次の5つの点に注意してみましょう。
- ターゲットを意識する
- わかりやすい文章で書く
- 当たり前ではないことを書く
- 少数精鋭(多く貼りすぎない)
- 定期的に作り変える
1つずつ見ていきましょう。
ターゲットを意識する
POPはお客様の関心を引かなければなりません。そのため「誰の関心を引きたいのか」を常に意識しながらPOPを作るとよいでしょう。
「この商品を誰に買ってもらいたいのか」「誰に食べてもらいたいのか」と考えて、デザインや文言を検討してください。
わかりやすい文章で書く
特に小売りの場合、お客さんがPOPを見るのは長くて数秒です。運が悪いと、お客さんの視界に入っているはずなのにスルーされてしまうこともあります。
POPは「数秒で理解させる」または「数秒でグッと引きつける」ことを意識して書いてみてください。
短時間で理解してもらうには、大きな文字サイズで分かりやすい文章が基本です。POPで商品が隠れてしまっては意味が無いので、どうしてもPOPの大きさは限定されます。その中で大きな文字を使うには、文字数を減らしたわかりやすい文章を心がけましょう。
例えば本をPRするPOPなら「面白いストーリーです」と書いても伝わりませんが、「私は3度読みました」と書いてあったら思わず手に取ってみたくなりますよね。短くても分かりやすく、インパクトのある文章が大切なのです。
当たり前ではないことを書く
POPは情報発信ツールでもあります。つまりPOPを使って「このような特徴を持った商品なんです」と説明することができます。例えば野菜売り場に「新鮮タマネギ」と書いたPOPを置いてもお客さんは素通りするでしょう。ところが「今朝収穫したばかりのタマネギ」と書けば新鮮さを強烈にアピールできます。
また「北海道産ジャガイモ」と書いてもインパクトはありませんが、「日本一のジャガイモの産地、北海道帯広から直送」と書かれていたらいかがでしょうか。
これは先ほど説明した「文字数を少なくする」ルールから外れるのですが、『日本一』を大きく書いたり、メリハリを付けてデザインすることで効果的なPOPとなります。
POPには、お客様にとって当たり前でないこと=貴重な情報を書きましょう。
少数精鋭(多く貼りすぎない)
情報には、大量は無になる、という性質があります。人は、自分の頭のなかで処理しきれないほどの大量の情報を一気に提供されると、情報の受け取りを拒否してしまうことがあります。大量の情報のなかから自分に必要な情報を抜き出すのが面倒になるからです。
POPをお店の内外に多く貼りすぎると、お客さんはどれを読んだらよいのかわからなくなり、POPから情報を集めることをやめてしまいます。掲示するPOPは少数精鋭を心がけてください。
ディスカウントショップなどで店内をPOPだらけにしているところもありますが、それで成功している店は入念にPOPを研究をしたり、POP担当者を配置したりしています。POPだらけで効果を生むにはかなり高度なスキルが必要なので、POP戦略の第2段階や第3段階で検討してみてはいかがでしょうか。
定期的に作り変える
POPは鮮度が大切です。長期間貼られたPOPはPR力を失います。旬の商材や、時期に合わせた内容をきちんとPOPにしましょう。
同じ商品でも定期的に文言を変えることで、お客様には常に目新しさを感じてもらえるはずです。
フォントにこだわろう!POPに適したフォントのご紹介
フォントとはデザインされた文字のことで、POPでは文言(文章)だけでなくフォントも重要です。
フォントを変えることで、POPをシャープにしたり、温かみを持たせたり、ユーモラスな印象にすることができます。
フォントは、あらかじめパソコンに入っているものの他に、インターネットで入手することができる無償利用OKのものもあります。ダウンロードしてパソコンから印刷すれば、綺麗なPOPをたくさん作ることができます。
ダウンロードできるフォントは有料・無料と様々ですが、ここでは以下のものをおすすめします。
手書きのようなほのぼのした雰囲気のフォントです。
無料、商用利用可
手書き風で少し崩れている、ゆるい雰囲気のフォントです。
無料、商業利用可(ただし制作者への連絡が必要)
居酒屋のメニュー風の力強い文字フォントです。無料版と有料版があります。
無料、商用利用可
※無料版は使える漢字の数に制限があります
柔らかめの毛筆フォントです。無料版と有料版があります。
無料、商用利用可
※無料版は使える漢字の数に制限があります
ポップな感じで、若者向け商材やキッチンカーなどの看板にマッチしそうなフォントです。
無料、商業利用可
手書きのような味わいがあり、あまり崩れていないので視認性も高いフォントです。
無料、商業利用可
売上アップにつながるPOPを作ろう
POPはご自身で作成することもできますが、手作りではできないクオリティのものは名入れスタイルにお任せください。
お店のPRや、売り込みたい商品にマッチしたPOPを選んで、売上アップに繋げましょう。
のぼり
https://www.nairestyle.com/products/detail/118
生地は軽さや薄さ、発色の良さから、のぼり旗によく使われるポンジ(テトロポンジ)を使用。フルカラー印刷なので、お好きなデザインののぼりの製作が可能です。
のぼりは店頭POPの定番です。フルカラー印刷なのでとてもインパクトがあります。
リサイクルパネル
カドマル https://www.nairestyle.com/products/detail/70
ユビサシ https://www.nairestyle.com/products/detail/82
多くの商品に使える汎用性が高いリサイクルパネルです。お客様に、今のおすすめを明確に伝えます。
使用済みのパネルやプラスチック容器を製造する過程で出る端材を原料にした、完全リサイクルの環境配慮型パネルです。
タペストリー
https://www.nairestyle.com/products/detail/115
こちらも定番商品ですが、のぼりより設置場所の自由度が高く使い勝手が良い商品です。飲食店であれば、おすすめの商品やメニューをタペストリーで目立たせることで「この商品ならこの店」と思ってもらえます。
軽量で取り付けやすく、1枚から安価に製作することができます。
POPで売り場を変えてみませんか
いかがでしたか?ポイントを押さえたPOPを作れば、効果的に商品PRができることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
POPはお店のこだわりを表現したり、おすすめ商品をPRする大切なツールです。
お店での食事や、お買い物体験を特別に感じてもらい、お店のファンになってもらうことで売上アップを目指しましょう。
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2022/04/12
【デザインで味が変わる?】美味しく感じる紙コップとは?
昨今のコロナ禍にともない、以前にも増してテイクアウトの需要が高くなりました。メニューを変えたりテイクアウト用の容器を用意したり、お店の運営を考えたり・・・お店からすると大変ですよね。お弁当だけでなく、ドリンクのテイクアウトも当たり前になってきましたが、もしかしてまだ無地の容器やカップを使っていませんか? 忙しいと忘れてしまいがちですが、実は容器にも大事な役割があるんです。今回は特に『紙コップ』にフォーカスして、デザイン・手触り・色などの違いで味の感じ方にどんな影響があるかを解説していきます。これを読んだら、こだわって紙コップを選ぶ重要性がお分かりいただけると思います。 なんとなくで選んでいませんか? ロゴを印刷してオリジナルで作成した紙コップは、持ち歩いてもらうことで無料の広告媒体になったり、こだわることでドリンクの美味しさが引き立ったり…工夫次第でお店のPRや売上アップにつながることもあるのです。InstagramをはじめとしたSNSでは「映え」を重視した商品が消費者に喜ばれることはご存じですよね。ロゴが付いている紙コップであれば、写真がアップされたときにお店の宣伝になるでしょう。紙コップを導入する際はなんとなく選んだり、無地のまま使用するのではなく、集客や売上アップも視野に入れて考えることが大切です。 こだわれば美味しさもアップ! 実は、ドリンクの美味しさはコップの色や手触りにも影響されます。これらを工夫することで、お客さまにはドリンクの美味しさを一段と強く感じていただけるのです。このページの「紙コップの違いによる感じ方」で紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。 紙コップの基本を知る 自分のお店にぴったりな紙コップを選ぶためには、基本的な種類や特徴を知っておくと良いでしょう。まずは、ホットとコールドそれぞれにおすすめな紙コップの種類を見ていきましょう。スリーブやホルダーなどもテイクアウトにとても便利なので、紙コップとあわせて検討してみてください。 ホットドリンクにおすすめの紙コップ 名入れスタイルでは、ホットドリンクにおすすめの紙コップとして次の3つをご用意しています。最大7色まで印刷が可能ですので、魅力的なオリジナルカップを作成できます。 ドリンク用紙コップ https://www.nairestyle.com/products/detail/141 ドリンク用紙コップは、もっともスタンダードな定番タイプです。満杯容量は「272ml」でホット&コールド兼用となっています。 テイクアウトはもちろん、自動販売機にも対応。他の紙コップに比べて安価なため、作成ロットが多い場合に向いています。 ドリンク用厚紙コップ https://www.nairestyle.com/products/detail/165ドリンク用厚紙コップの満杯容量は「281ml」でホット&コールド兼用となっています。特製の厚紙を使用しているため、定番タイプの約1.4倍もの強度を誇ります。手に持ったときの感触がしっかりしており、飲みやすさは抜群です。 断熱性エアーウォール紙コップ https://www.nairestyle.com/products/detail/154 断熱性エアーウォール紙コップの満杯容量は「260ml」となっています。こちらもホット&コールド兼用。紙製スリーブを装着することでエアー層を形成しており、優れた断熱性を発揮することで熱いホットドリンクのメニューでも持ちやすくなっています。機能性に優れていて高級感もありますので、オリジナル印刷をすればより一層特別感が増すでしょう。 コールドドリンクにおすすめの紙コップ 容量が多いので、特にコールドドリンクの提供におすすめのラインナップです。 ドリンク用紙コップ https://www.nairestyle.com/products/detail/186コールドドリンクの提供には、背の高い紙コップがおすすめ。満杯容量415・500・545mlの3種類をラインナップしています。氷がたくさん入るため、キンキンに冷えたドリンクを提供することができます。 役立つグッズ テイクアウトで使用するならカップスリーブやカップホルダー、蓋類もあると便利です。名入れスタイルでは、次のようなグッズもご用意しています。 カップスリーブ https://www.nairestyle.com/products/detail/21ホットドリンク提供時に使用する紙製のスリーブです。やけどの防止はもちろん、ロゴマークなどの印刷でオリジナルも作成可能。7〜14オンスの容量の紙コップに対応しています。素材は白とクラフトの2色で、1色での印刷が可能です。のり付け部分をはがすとサイズの変更ができるので、幅広いサイズに対応できます。 カップホルダー https://www.nairestyle.com/products/detail/166 カップホルダーは、紙コップ2個を吊り下げて持ち運べる形になっています。サイズは「幅251mm×高さ177.5mm×奥110mm」、カップ対応の目安は「直径78〜100mm」です。色はクラフト色1種類ですが、最大4色まで印刷ができます。 メリットとしては、カップの中身がこぼれにくいだけでなく、片手で簡単に持ち運べるところにあるでしょう。おしぼりやナフキン、ストローなどの小物類を側面のスリットに入れることもできるので、より快適なテイクアウトを実現します。 ドリンクカップ用PS蓋 https://www.nairestyle.com/products/list?category_id=&name=%E8%93%8B 各種紙コップに合わせて選ぶことができる専用の蓋。飲み口に蓋がされているものや、スープなどにも使える飲み口の無いものなどもご用意していますので、提供するものによって幅広く選択できます。 紙コップの違いによる感じ方は? はじめに紹介したように、ドリンクの美味しさは紙コップの色や手触りにも影響されます。次の4つのポイントを押さえて、より美味しいドリンクを提供して売上アップを目指しましょう。 飲食はとにかく視覚が大事 色と味の関係性は、意外と深いものです。たとえば、赤や黄色などの暖色系は食欲を増進させます。一方、青などの寒色系や黒・グレーなどの無彩色は、食欲を減退させる効果があるといわれています。 また、色には「味のイメージ」があります。代表的な例は次のとおりです。 ピンクやオレンジ →甘さ 黄色 →酸っぱさ(レモンなど) 白や青 →しょっぱさ 茶色や緑 →苦さ(コーヒーやほうれん草など) さらに、組み合わさった色同士のコントラストも味に影響します。コーヒーなどの茶色は、苦味をイメージさせやすいと紹介しましたが、実は白いカップにコーヒーを入れると茶色の印象が強くなり、苦味や香りをより強く感じやすいといわれています。濃い色の器に白いごはんを盛ると、米の甘味が強く感じるケースも。容器の色とのコントラストを強めることで、飲食物の美味しさが引き立てられるということです。 素材色だけでなく、デザインする際は提供するものに合わせて、色を上手に組み合わせることを意識しましょう。 次に触覚が大事 色のほか、手触りの違いも感覚に影響を与えます。ある研究によると、ツルツルとした手触りのカップではあまり味覚に影響しなかったが、フェルトなど手触りが優しいカップでは酸味や苦味など刺激的な味を抑制し旨味を促進した、とのこと。 (参考:科学技術情報発信・流通総合システム 飲料に及ぼすコップの手触りの影響 https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/78/0/78_2EV-1-062/_article/-char/ja/ ) また、エンボス加工(表面の凹凸)のカップに入れたコーヒーは、表面が滑らかなものよりも後味が苦く、甘さを感じにくいといわれています。 このように、手触りによってはドリンクの味を引きたてることも、逆に押さえ込んでしまうことも可能です。ドリンクの美味しさを存分に伝えるなら、パッケージデザインとあわせて手触りもしっかり考えましょう。 もちろん使い勝手も大切 ホットドリンクを美味しく飲める温度は、60℃〜70℃です。コーヒーは95℃、紅茶は100℃の時点でお湯をいれると、飲むときにちょうどいい温度になります。 お客さまにドリンクを美味しく飲んでいただくためには、適切な温度のときに素早くいれられることも大切です。紙コップを導入する際はデザインはもちろん、ドリンクを準備するときの使い勝手の良さも考慮しましょう。 グッズを使ってさらにパワーアップ https://www.nairestyle.com/products/detail/207 テイクアウトは自分のためだけでなく、友人や職場の仲間などに頼まれて利用することもあります。友人などへ渡したときにも喜んでもらえるような工夫があると、お店の人気はさらに高まるでしょう。 たとえば、使い捨ておしぼりや紙ナフキンにもお店の名入れをすると、統一感があっておしゃれです。コースターをつければ、より特別感が出ます。開店何周年などの記念に合わせて限定コースターをテイクアウトに同封すると、話題性アップにもつながります。 まとめ 紙コップは、工夫次第でドリンクの美味しさを引き立ててくれることがわかりました。最後に、紙コップのパッケージデザインについておさらいしましょう。 紙コップは味を左右する大事なツール 色や印刷などのデザインはもちろん、手触りも味の感じ方に大きな影響を与えます。甘い、苦いなど味に合わせて紙コップを選ぶことで、ドリンクをさらに美味しく感じてもらえるでしょう。 こだわりの紙コップがもたらすブランディング効果 紙コップひとつ取っても、お店のこだわりを表現する大切なツールです。パッケージデザインが優れた紙コップであれば、きっとお客様は持ち歩きたくなったり、写真を撮ってSNSにアップしたくなるでしょう。 紙コップは広告媒体としてもファンづくりとしても、ブランディングにおいて重要な一翼を担うツールなのです。上手に活用するためにも、お店のロゴなどを印刷してオリジナルで作成してみてはいかがでしょうか。
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2022/03/09
疑問を解決!どんなフォントもロゴに使っていいの?
お店のファンづくり=ブランディングを行う上で欠かせないのが、「店舗のロゴ」です。ロゴがあればオリジナルのカップや袋が作れたり、認知アップで集客に効果が出たりとメリットがたくさんあります。もし今、ロゴをお持ちでなければぜひ作ることをおすすめします。 ロゴをつくると聞くと少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、実はパソコンなどに入っている文字の「フォント」を活用することでも十分にロゴは作成することができます。ただし、どんなフォントでもロゴ作成に使用できるわけではありません。 そこで今回はロゴの重要性と、ロゴ作成で使用できるフォントの例や、作成時の注意点を紹介します。ロゴを上手く活用して、ぜひ集客アップにお役立てください。 ブランディングにおける「ロゴ」の重要性 ロゴは、店舗のブランディングに欠かせない重要な要素です。まずは、ブランディングについての簡単な解説と、大切な要素の「ロゴ」についてご説明します。 ブランディングとは? ブランディングとは、「ブランドを形作る活動」を指します。言い換えると、「〇〇といえば、あのお店!」というように、店舗らしさを認識してもらうことです。 ブランディングを上手く進めることでお店のファンが生まれ、集客に繋がったり、購買のきっかけを作ることができます。 店舗のブランディングにロゴは必要不可欠 店舗のブランディングは時間と手間がかかり、一朝一夕ではできません。しかし、ロゴがあると、次に挙げるメリットにより、ブランディングを進めやすくなります。 見た人の記憶に残る 店舗の認知度が向上する 店舗のイメージ形成を促す 従業員の結束力を高める 人の脳は、イラストや写真の方が、文章よりも記憶に残りやすいといわれています。店舗の雰囲気やコンセプトを感じられるようなロゴであれば、認知度を向上させると同時に、店舗のイメージ形成にもつながるでしょう。 また、ロゴは利用者や取引先だけでなく、お店の従業員にも良い影響を与えます。ロゴを見るたびに「どんな店舗を目指していきたいか」を再確認でき、全員が同じ方向を向いて仕事に取り組めるようになるからです。 フォントをロゴにするのはあり? ロゴには、大別すると「ロゴタイプ」と「ロゴマーク」との2つの種類があります。 ここではそれぞれの違いを踏まえながら、フォントをロゴにする際のメリット・デメリットや、使用できるフォントの種類を見ていきましょう。 ロゴタイプとロゴマークについて ロゴタイプは、文字にデザイン要素を加えたもので、デザイン要素が強いものはシンボルロゴタイプとも呼ばれます。 (例) ロゴタイプ シンボルロゴタイプ ロゴマークとは、抽象化した絵(シンボルマーク)と文字(ロゴタイプ)を組み合わせたロゴです。 (例) ソニー(SONY)やキヤノン(Canon)・ヤフー(Yahoo!)などの企業で使われている、文字自体がデザインされたロゴは「ロゴタイプ(シンボルロゴタイプ)」に分類されます。シンボルマークとロゴタイプを組み合わせた「ロゴマーク」だと、三菱やトヨタなどが有名です。 2つのどちらを選ぶかは、店舗のブランディングにおいて「何を優先したいか」を基準にするといいでしょう。ロゴタイプは、「まず店舗の名前を覚えてほしい」「店舗名に自分の名前を入れたい」という場合にオススメです。 対して、ロゴマークは「店舗のシンボルを作りたい」「店舗のコンセプトを視覚的に訴えたい」という場合にオススメです。ただし、シンボル・マークとロゴタイプどちらも作成することから、工数が増え、その分必要な予算が増えてしまいます。 ロゴタイプで認知度を上げ、予算が確保できてからロゴマークに移行するケースもあります。 ロゴ制作には費用がかかる 先ほど紹介したように、ロゴマークのように工数が多いロゴ制作では、その分費用がかかります。店舗を初めて出す場合や、資金力にまだ自信がない場合、まずはフォントのみを使用したロゴタイプを作成してはどうでしょう。 もちろん、ロゴタイプをプロ(企業)へ制作依頼するときには、相応の費用がかかります。信頼性を感じられる精巧なロゴタイプを制作してもらうためには、安くても5万円ほどの予算は準備しておくと安心です。 ロゴに使えるフォントってどんな種類があるの? ロゴに使えるフォントは、さまざまな種類があります。その中でも、使用しやすいフォントは次の5つです。 モリサワ(Morisawa) モリサワのフォントを店舗のロゴ作成で使用したいときは、該当するフォントを購入し、ユーザー登録します(Morisawa Passport以外)。使用許諾契約の範囲内であれば、追加の使用料を必要としません。ただし、作成したロゴの商標・意匠登録は不可です。 フォントワークス フォントワークスでは、「モトヤLETS」以外は特別な手続きなしで使用・商標登録が可能です。「モトヤLETS」もロゴ作成で使用できますが、商標登録をする場合は、申請前の有償契約と図案の提出が必要となります。 また、フォントワークスが提供する新サービス「もじも(mojimo)」のフォントも、ロゴ作成で使用可能です。ただし、商標登録をする場合は、フォントのタイプフェイス(デザイン)やプログラムの独占使用はできません。 Adobe(アドビ)フォント 膨大な数を誇るアドビフォントの中でも、制作者が「アドビ」となっているものは、申請なしでロゴの作成や商標登録が可能です。合わせて、著作権で保護したり、商品に使用することもできます。 Googleフォント Googleフォントでは、900以上ものフォントを無料かつ登録なしで使用可能です。ただし、商標登録はできません。 フリーフォント 誰でも無料で使用できる「フリーフォント」を使用するのもおすすめです。変わった形の文字など、他に無い魅力的なものが見つかるかもしれません。 ただし、ロゴ作成や商標登録ができるかどうかはフォントによって異なります。商用利用が可能なフォントでも、商標登録ができない、あるいは申請前の連絡が必要な場合もあります。 次項では、ロゴ作成時の注意点を解説します。「せっかく作ったロゴマークが使えない!」なんてことにならないようにしっかりチェックしてくださいね。 そのロゴ大丈夫?作成時のポイントと注意点 せっかくロゴが完成しても、利用規約の違反などで「使えなくなった」となれば、作成費用が無駄になってしまいます。このような事態を避けるためにも、ロゴを作成するときには次のようなポイントに注意していきましょう。 フォントの場合は利用規約をチェックしよう 企業が販売しているフォントはもちろん、フリーフォントにも「利用規約」があります。ほとんどの利用規約には、「商用利用が可能かどうか」について記載されているため、事前に必ずチェックしましょう。 他のお店と似ていない? 既存のフォントをベースに作成したロゴは、他の店舗と似通ってしまうケースもあります。商標登録されているロゴと似たものを使ってしまうと、「商標権の侵害」という法律上の問題に発展しかねません。 そのため、ロゴを完成させる前には、似たようなロゴがないか必ず事前調査しておきましょう。 事前調査の方法としては、Googleの画像検索と特許情報プラットフォーム(J-PlatPat) が便利です。画像意匠広報検索ツール を使えば画像での検索もできるので、一度アイディアをチェックしてみるのも良いかもしれません。 せっかく作ったロゴ、その使い方で大丈夫? 商標登録も問題なく、ようやく完成したロゴをSNSなどで使用する場合にも、注意点があります。それは、「完成したロゴを変形させずに、そのまま使う」ということです。 ロゴを使用するたびに色や比率を変えてしまっては、ロゴや店舗のイメージが定着しにくくなります。ブランディングを成功させるためには、色や比率、解像度など使用時のルールをあらかじめ決めておきましょう。 また、LINEやInstagramなどのSNSでロゴを使用する場合は、表示される範囲に合わせて形を変えるのも1つの方法です。アイコンは円形で表示されるため、中心部にフォントが見えるように調整しましょう。 フォントをうまく活用してロゴを作ろう 店舗のロゴは、フォントをうまく活用することで作成可能です。最後に、ロゴを作るメリットと作成のポイントを、まとめと共に振り返っていきましょう。 ブランディングに効果的 ロゴは視覚的な訴求力が高く、店舗のブランディングに欠かせない大切な要素です。これから店舗を開く方も、事業を拡大していく方も、自身のブランド(店舗らしさ)を広げていきたいなら、ロゴをきちんと作っておくことをおすすめします。 ブランディングが成功すればお店のファンが生まれます。ファンが生まれれば口コミやSNSの投稿などを通じて、長期的な売上が期待できるはずです。 自分で作るのもアリ 先ほど紹介したように、ロゴはフォントを使用しても作成することができます。プロに依頼することはもちろん、自作することもアリです。伝えたいコンセプトを念頭に工夫を重ねれば、予想以上に見栄えがよく、満足のいくロゴが完成するかもしれません。愛着もわき、その後の仕事もより意欲的に取り組めるでしょう。 もちろん作成の際は、利用規約をよく読み、商標調査を行った上で作成してくださいね。 まとめ お店のロゴは、お客さまからの認知度を高めるだけでなく、お店に関わるスタッフの皆さんのモチベーションアップにも役割を果たします。予算がなくても、フォントを工夫することでステキなロゴタイプを作ることができます。まずは気軽にトライしてみてはいかがでしょうか? 「店舗の顔」となる魅力的なロゴを作成した後は、そのロゴを使ってテイクアウト容器やお持ち帰り用袋などに名入れをして、認知度アップと集客、お客様のさらなるファン化につなげましょう!
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2022/03/04
紙袋で売上が変わる!?お店の紙袋の重要性
テイクアウト需要が高まり、どのお店にも欠かせないアイテムになった紙袋。 何気なくお店の雰囲気や値段で選びがちな紙袋ですが、実はお店の印象を大きく左右する大切なアイテムなのです。 無地の紙袋やお店のロゴが入った紙袋、オーダーで作った変わった形の紙袋など、お店によって使用している紙袋はさまざまです。では、どのような紙袋が自分のお店に最適なのでしょうか? 今回は紙袋の重要性や紙袋の種類、業種別オススメの紙袋などを詳しくご紹介していきます。 紙袋の重要性 お店で商品を受け取ってから目的地に着くまで、購入した方はもちろん、すれ違う人や家族、友人も紙袋を目にするかもしれません。素敵な紙袋は販促グッズとしても効果を発揮し、お店のブランディングやお客様の満足度向上に役立つとても重要なアイテムです。 紙袋の重要性や効果を最大限に発揮するために、押さえておきたいポイントをご紹介します。 ブランディングを担うツール お店の紙袋はただ商品を持ち運ぶためのものではなく、お店の顔としての重要な役割も持っているといっても過言ではないでしょう。というのも、紙袋はお客様が持ち歩くことでお店を知らなかった人がその存在を知るきっかけになることもあり、紙袋自体がお店を宣伝する看板のような効果があるからです。 さらに、お店の紙袋がおしゃれであれば持っているだけで気分が上がり、持ち歩きたくなるはず。ただの商品入れではなく、ブランディングを担うツールとして、紙袋はこだわりを持って選ぶことでお店の雰囲気などを伝えることができます。 また、お店の紙袋は自分のお店に合った色合いを選ぶことも重要です。 以下のページで色の持つ心理的効果について紹介していますので、紙袋の色選びの参考にしてください。自分のお店に合った色を選びましょう!色の持つイメージと心理的効果【前編】 自分のお店に合った色を選びましょう!色の持つイメージと心理的効果【後編】 ロゴが大事 紙袋の効果を最大限に発揮するためには、紙袋に入れるお店のロゴもデザイン性に優れたものを使用する必要があります。 テイクアウトなどで使用された紙袋は、家に着いたら役目が終わり、捨てられてしまったり、「そのうちなにかで使うかな?」なんて他の紙袋と一緒に片づけられてしまうことがほとんど。 ですが、紙袋そのものが丈夫で使いやすく、さらにおしゃれなロゴが入っていたら繰り返し使用したくなりますよね。 こだわりのロゴデザインを紙袋に入れることで、ファッション性が向上し店名を広く知ってもらうことができ、紙袋の持つ効果が最大限に発揮されます。せっかく作るなら、お客様に気に入ってもらえる紙袋を目指しましょう! 紙袋のタイプ 紙袋といってもさまざまな形状のものがあります。手提げタイプ、取っ手のない角底タイプ、スタンド型の亀甲袋など。ここでは各形状の特徴を紹介します。 手提げタイプ https://www.nairestyle.com/products/detail/62 まずはベーシックな紙袋である手提げタイプです。安定で定番のデザインなので、使うシーンを問わず活躍します。飲食店はもちろん、雑貨屋、お土産屋さんなどでも重宝されています。 角底タイプ(取っ手無し) https://www.nairestyle.com/products/detail/227 続いては持ち手のない角底タイプです。かさばらず、使用する素材も少ないため環境にも優しい紙袋です。クラフト茶袋の角底タイプは大手外食チェーンにも採用されています。 亀甲袋(スタンド紙袋) https://www.nairestyle.com/products/detail/134 亀甲袋はスタンド型の紙袋です。フランスのパン屋さんのようなファッション性を感じるデザインで、おしゃれなベーカリー売り場にもよく馴染みます。底マチ形状のためパンの詰め合わせなど、大容量の商品も入ります。 業種別オススメの紙袋 最後に紙袋が活躍するお店の例を紹介します。お店の雰囲気にあった紙袋の形状や素材を見ていきましょう。名入れスタイルで取り扱っている、それぞれのお店に合うデザインの紙袋も紹介します。 カフェ・コーヒースタンド 気軽に立ち寄れて、気分をリフレッシュできるカフェやコーヒースタンドには、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を演出できる「手提げタイプの未晒クラフト紙袋」がおすすめです。小型で正方形のものだと持ち運びに便利で、安定感も抜群です。手提げ紐は紙単丸ヒモでシンプルにまとめるとなお良いでしょう。 名入れスタイルには、茶無地の紙袋をはじめ、白無地に黒ヒモのシックな紙袋などがあり、お店の雰囲気とマッチしたデザインをお選び頂けます。 https://www.nairestyle.com/products/detail/231 レストラン・和食料理店 レストランや和食料理店で活躍する紙袋は、安定する横長の形状のもの。大きな器でお渡しする商品も安心してお持ち帰りいただけます。店名をメインにしたデザインを印刷すれば、お店の名前を覚えてもらうのにもバッチリです。 名入れスタイルでは定番の白無地から、カカオやオレンジといった色をご用意しています。シンプルなデザインがお好みなら、店名や住所、電話番号などの店舗情報は片面に小さく印刷するだけにとどめておくのもおすすめです。 https://www.nairestyle.com/products/detail/232 洋菓子店・和菓子店 洋菓子店や和菓子店におすすめの紙袋は高さを抑えたデザインのもの。低めに作ることで商品を出し入れしやすく安定感もアップします。晒クラフトなら文字印刷もきれいに入ります。 名入れスタイルには手持ち部分がやや短めな形状で、カカオ、白無地、茶無地など落ち着いた色の紙袋があります。マチも200ミリとたっぷりあるので、ホールケーキを入れるのにもぴったりです。 https://www.nairestyle.com/products/detail/233 雑貨店 雑貨店ではさまざまな大きさの紙袋が必要になりますが、主に使われるのは横幅の広いもの。大きめのものであれば一つのサイズでさまざまな商品に対応できます。 名入れスタイルでは、さまざまなサイズの紙袋を赤、緑、紺、オレンジ、カカオなどの多様なカラーでご用意。コスメなど少し価格の高いものを取り扱っているお店には、縦長のシックな色合いの紙袋がよく似合いますね。暗めの色は高級感があり、重厚感を演出できます。 https://www.nairestyle.com/products/detail/130 土産物店 土産物店など、旅の思い出を持ち帰るための紙袋には正方形のものがよく使われます。正方形の紙袋は口が大きく底まで手を入れることができ、大きな商品を出し入れしやすいのが特長。未晒紙は和洋どちらにもマッチするので人気が高く、名入れスタイルでも取り扱っています。 https://www.nairestyle.com/products/detail/130 まとめ 今回はお店のブランディングや集客に関わる紙袋の重要性について紹介しました。最後にオリジナル紙袋の魅力についておさらいしましょう。 オリジナル紙袋の魅力 オリジナル紙袋はお店の集客に役立ちます。テイクアウトがすっかり一般的になった今、お店には紙袋が欠かせませんよね。どのお店でも紙袋を利用していますが、オリジナル紙袋であればどこで買ったのか一目瞭然。紙袋自体が看板となり広告効果を発揮し、お店の集客と売上げアップにつながるでしょう。 名入れスタイルでオリジナル紙袋を作ろう! 名入れスタイルではオリジナルネームを入れたさまざまな商品を販売しております。 名入れスタイル公式サイトはこちら から また、名入れの必要のないシンプルな紙袋、柄物の紙袋などをお探しの方には「容器スタイル」がおすすめです。使い勝手の良いさまざまなサイズ、デザインの紙袋を始め、テイクアウト容器やカトラリーなども販売しております。 容器スタイル公式サイトはこちら から