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【印刷のおはなし】アウトライン?CMYK?デザイン作成の注意点を解説します![前編]

印刷とは、単純に言えば紙などにインキを付けて写真・文字・図版を表現することです。

 

グラフィックデザインは、印刷の特性を踏まえなくてはいけないので専門的な知識が必要でしたが、最近ではグラフィックデザイン用のソフトウェアを手に入れるハードルも下がり、手軽に始めることができます。
しかし「データを作ってみたけど印刷できないと言われた。」「印刷してみたら写真がモザイク状になってしまった!」といったトラブルも増えています。
そんなことにならないために、印刷データ作成の注意点をお伝えします。

グラフィックデザイン界の標準ソフト

デザインを制作するツールは、無料・有料含めて様々なものがありますが、世界的に圧倒的なシェアを誇るのはAdobe(アドビ)のIllustrator(イラストレーター)です。

Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)とは?

アドビイラストレーターの説明画像

出典:Adobe Illustrator | グラフィックデザインソフト 【アドビ公式】

 

1988年にAdobeよりリリースされたベクター形式のイメージ編集ソフトです。グラフィックデザインはもちろん、Webデザインにも対応しています。
デザイン構成要素である形・文字・色・レイアウトをコントロールするためのソフトで、写真の加工は同社のPhotoshop(フォトショップ)が担っており、Illustrator(イラストレーター)ではその写真を「配置」することができます。

ベクター形式とは?

複数の点と点同士を結ぶ線で図形を描く形式で、ドロー形式とも呼ばれます。Illustrator(イラストレーター)ではこの点を「アンカーポイント」、点と点をつなぐ線を「セグメント」、セグメントの方向と強さを決めるものを「ハンドル」と呼び、3つの要素を合わせて「パス」と呼んでいます。

パスは数値で管理されており、描かれた図形は拡大してもボヤけるなどの劣化が起きません。

ベクターの説明の画像

ベクターの説明の画像

Illustrator(イラストレーター)以外のグラフィックソフト

業界標準であるIllustrator(イラストレーター)以外にもデザイン制作ソフトはたくさんあります。その一部をご紹介します。

Inkscape(インクスケープ)

インクスペースのイメージ画像

出典:Moonlight Views - Inkspace the Inkscape Gallery | Inkscape

Illustrator(イラストレーター)と同様にベクター形式のソフトです。WindowsでもmacOSでも使うことができて、なんと無料!ちなみにIllustrator(イラストレーター)はサブスク形式で2,728円(税込)/月が必要です。(2022年3月時点)
Illustrator(イラストレーター)ほどではありませんが、機能はかなり充実しており、初心者がベクター形式のデータに慣れるためには最適のソフトと言えます。
しかし、印刷用のカラースペース(色空間)の「CMYK」に対応しておらず、データ入稿用のデータとしては使えないことが最大の弱点と言えます。

Affinity Designer(アフィニティデザイナー)

アフィニティデザイナーのイメージ画像

出典:Affinity Designer – プロフェッショナル向けのグラフィックデザインソフトウェア

ひとつの画面上でベクターデータとビットマップデータ(ピクセルの集まりで描かれた画像データ)が使える、Photoshop(フォトショップ)とIllustrator(イラストレーター)が合体したようなソフトです。サブスク形式ではなく買い切りタイプで、¥7,000(税込)とリーズナブルなのもうれしいポイントです。
PDFでの書き出しができるので、PDF対応のサービスに出稿することもできます。(Illustrator(イラストレーター)から作られたPDF以外は対応しないサービスもあるようです。)

LibreOffice Draw(リブレオフィス ドロー)

リブレオフィス ドローのイメージ画像

出典:スクリーンショット | LibreOffice - オフィススイートのルネサンス

LibreOfficeはMicrosoftのOffice(Excel・Word・PowerPointなどのパッケージ)の代わりとして使えるソフトで、無料で使えます。Officeと同様に、表計算ソフト・文書作成ソフト・プレゼン資料作成ソフトなどがあり、図形描画ソフトもあります。これがLibreOffice Drawです。
操作が簡単で、企画書やグラフィカルな資料を作るのには向いていますが、Illustrator(イラストレーター)と比べると機能は比較にならないほど少なく、PowerPointの使用感に似ています。
PDFで書き出しができるのですが、「CMYK」に対応しておらず、入稿用のデータとしては使えません。

無料でも多機能なソフトが存在して興味深いところではありますが、データ入稿対応のサービスはIllustrator(イラストレーター)指定になっている場合が多く、名入れスタイルでもIllustrator(イラストレーター)での入稿が基本となっています。

CMYKって何?

デザインの重要な要素となる「色」。現実世界の色とパソコンのモニターで見る色と印刷物で表現できる色には大きな違いがあります。

CMYKとRGBの違い

パソコンで見ている色はRGBと呼ばれる光の三原色、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)で表現されています。RGBは加法混色という特性があり、3色が重なると白色になります。


一方印刷物の色はCMYKと呼ばれる色の三原色、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)に黒を加えたもので表現されています。こちらは減法混色という特性があり、CMYを重ねると理論上は黒色になるのですが、インキの特性上3色を混ぜても真っ黒にはならないので、それを補うために黒色が加わっています。ちなみに「K」はKuroではなく、「Key plate(各色との組み合わせで全体の色調を決めるキーとなる版)」のKです。

CMYKとRGBの違い

CMYKの色領域

印刷インキ(CMYK)で表現できる色は、RGBよりかなり狭く、以下のようになっています。

RGBとCMYKの色表現領域を説明した画像

実物やパソコンのモニターよりくすんだ印象になるのはこのためです。

 

CMYKに関わるトラブル

一番多いトラブルは「印刷したら色が変わってしまった。」ではないでしょうか。
印刷用データは基本的にCMYKで作ることが基本ですが、RGBの画像で作っても印刷は可能で、この場合、プリンター等でRGB→CMYKの簡易的な変換が行われます。デザインの現場では、この変換がかなり重要で、多くの場合ただ変換するだけではなく、変換後に失われた色を補填するための補正が施されます。

CMYKの変換によるトラブルを解説した画像

データ作成の時点でCMYKにしておくことが、トラブル回避のコツと言えます解像度を知ろう

Illustrator(イラストレーター)が担当しない「写真」「画像」は、ピクセルと呼ばれる四角形の集まりでできており、ラスター形式やビットマップ画像と呼ばれます。

解像度とは、画像の細かさを表す数値

ラスター形式はピクセルの集まりでできているので、ピクセルが多ければ多いほど細かい表現ができます。このピクセルの細かさを表す数値が「解像度」です。解像度の単位でよく使われるのは「dpi」で、1インチの一辺に何個のピクセルが並んでいるかがわかります。

解像度を説明する画像

たとえば72dpiであれば、一辺に72個のピクセルがあるので1インチ四方の中にあるピクセル数は72✕72=5184個となります。

解像度が低いとどうなる?

解像度が低いと、画像を印刷した時にピクセルが見えてしまいます。つまりモザイク状になってしまうのです。ピクセルが見えるほどではない場合でも、解像度が足りないと、なんとなくぼやけた画像になってしまいます。

解像度の低さを説明した画像

印刷データの規定の数値は、ずばり「350dpi」です。画像の内容によっては足りなくても問題なく見えることもありますが、350dpiを一つの基準としてください。

解像度が高すぎるとどうなる?

解像度が低いとボヤけてしまうなら、解像度が高ければ高いほどきれいになりそうなものですが、印刷の場合はそうでもありません。
印刷の階調は「網点」と呼ばれる点の集まりで表現されています。

網点の説明画像

通常の印刷では、この点が1インチの一辺に175個並んでおり、この175個の点をきれいに描くための解像度が350dpiとなります。

網点の説明画像

なので、350dpi以上の解像度があっても印刷で表現できないので、ただデータが重たくなるだけなのです。
また、精度が求められる印刷物の場合、原寸大で350dpiに変換してから「シャープネス」と呼ばれる輪郭をきれいにする処理を施します。大きな画像でシャープネスをかけても、配置される時に縮小されると、シャープネスの効果は半減、もしくはなくなってしまいます。

シャープネスを説明した画像

いかがでしたでしょうか。


[前編]では印刷の「ソフト」「CMYK・RGB」「解像度」について解説をさせていただきました。


トラブルが多い「フォント」「線」「色」を取り上げた[後編]はこちら からどうぞ。

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